中学校卒業によって、9年間の義務教育が終了しますが、現在大多数の生徒は、さらに上級の学校への進学を希望しています。 そしてそれは、ほぼ次の3つのコースに大別されます。 @公立高校への進学 A私立高校への進学 B高等専門学校(高専)への進学 以下、それぞれについて、そのあらましを紹介してみますので、進路について各ご家庭で話しあう際の参考にしていただければ幸いです。 なお、数年まえから進路選択に関連して、よく話題にされてきた「偏差値」についても、最後にいささかふれておきたいと思います。 1.公立高校への進学 公立高校とは、県立・市立など、地方自治体が設置する高校で、群馬県の場合一般の公立高校の他に、高崎市立の高崎経済大学附属高校もありますが、これはいろいろな面で特別な扱いになっており、後にふれる学区制の適用も受けず、入試も2月に別日程で行なわれます。 ●普通科と専門学科 @ 普通科(県内を8学区に分けている) ◆ 国・数・社・理・英と保体・芸術教科など、いわゆる高校教育の基本となる一般教 科を総合的に学ぶコースで、総合高校の1学科としておかれている場合もありま すが、多くの場合「普通高校」として設置されており、2年生から「文系」・「理系」な どに分かれます。そして、普通科は群馬県内が8学区に分けられ、伊勢崎市お よび佐波郡内の町村は、「中部第1学区」に所属し、その学区内の「普通高校・ 普通科」は、伊勢崎東・伊勢崎女子・伊勢崎市立伊勢崎・前橋東・中央・玉村・新 田暁・大間々・境の各高校です。 ◆ なお、隣接学区としての「東部第1学区」(太田・新田地区)、「東部第2学区」(桐生 山田地区)、「中部第2学区」(前橋・勢多地区)の普通科の高校には、それぞれの 定員の15%まで、「中部第1学区」などからの受験生も入学が許可されることにな っていますがこれはあくまで15%の枠内での競争になりますから、その学区内の 受験生よりきびしい件になることを覚悟しなければなりません。 A 専門学科(学区制はなく、すべて全県1学区) ◆ 伊勢崎東高校や桐生女子高校には、普通科の他に「英語科」があり、高崎市と 前橋市の中間(高崎市新保田中町)にある中央高校には「理数科」があります。 これらは英語や理数にウエイトをおきながらも、全体としては「普通科」に近い学 習内容になっています。しかしそれでいて普通科以外の「専門学科」の1分野で すので、学区制にとらわれず、県内どこからでも同じ条件で受験できます。入試 では英語や理数の配点も高く、得意教科がはっきりしている人にとってはそれだ け挑戦しやすく、3年後の大学受験時にも、それらの教科の力が活かせるとす れば、それなりにメリットのある学科だといえるでしょう。 ◆ なお、館林女子高や伊勢崎女子高には、普通科の中に「英語コース」がおかれ ていますが これはあくまで普通科内部での「コース分け」ですので、それぞれ隣 接学区からの受験生は15%の制限をうけます(伊勢崎・佐波地区から伊女への 受験には制限はありません)。 ◆ 太田西女子高の「家政科」なども、専門学科の1つですので、学区制はなく、全 県どこからでも同じように受験できますし、それだけに競争率がかなり高くなるこ ともあります。 ◆ 工業・商業・農業関係の各教科も、もちろん「専門学科」ですので、全県1学区で どこからでも同じ条件で受験できます。ただし、最近この分野の学科は、名称と 学習内容とが大幅に変化しているし、数年前まではなかったような新しい学科 が次々に誕生していますので、自分の個性と将来の希望に見合った学科を、じっ くり研究する必要がありそうですく例えば電気科と電子科のちがいとか、工業高 校の情報技術科と商業高校の情報処理科のちがいなどかなりまぎらましいもの もあります)。 ●面接について 面接には、日頃の生活態度や言葉づかいなどがストレートに反映します。 そのときだけ良いところを見せようと思っても、経験豊かな試験官には、すぐありのままを見抜かれてしまいます。また、ふだんのしっかりした心構えや生活習慣などが、たしかな学力を育てることにもつながりますので、日々それらの確立にっとめることは、まさに一石二鳥です。 2.「偏差値」について 数年まえから、「偏差値の弊害」がクローズアップされ、文部省も「偏差値に頼らない進路選択が、本来のあり方である」と指導し、あたかも「偏差値」が、受験をゆがめる諸悪の根源でもあるかのような論議がされてきました。 しかし、もともと「偏差値」 というのは、種々の目的に応じて、学問的な根拠をもって算出される数字であり、それ自体は極めて有用なものです。 受験に関連して話題になるのは 「学力偏差値」ですが、それは、同じテストを受けた集団の中で、個々の受験者が、それぞれどのレベルにいるのかを「単純明解に示す数字」であって、一人一人の学力を客観的に表わすには、もってこいのデーターなのです。 例えば、ある個人の学力の変化をテストごとに見ていこうとした場合、問題がやさしいか、難しいかによって、毎回平均点が違ってきますから、得点の上がり下がりだけで、単純に学力を比較することはできません。 その点 「学力偏差値」は、テストごとの受験者集団を、25から75までの50段階の学力レベルにふり分けて、その集団の中での位置づけを数字で示すのですから他人と自分との比較.前回の自分と今回の自分との比較などが、実にわかりやすいのです。 それが特に問題にされるのは、一回だけの 「学力偏差値」を固定的にとらえて、あきらめムードになってしまったり、本人の個性や将来の目標などと切り放して、目先の 「学力偏差値」だけで進路を決めてしまうような点ではないでしょうか。 |
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