法律編



第4章 届出
第2節 出生
第49条〔届出期間、届出事項、出生証明書の添附〕
@出生の届出は、14日以内(国外で出生があったときは、3カ月以内)にこれをしなければならない。
A届書には、次の事項を記載しなければならない。
 1 子の男女の別及び嫡出子又は嫡出でない子の別
 2 出生の年月日時分及び場所
 3 父母の氏名及び本籍、父又は母が外国人であるときは、その氏名及び国籍
 4 その他命令で定める事項
B医師、助産婦又はその他の者が出産に立ち会った場合には、医師、助産婦、その他の者の順序に従ってそのうちの一人が命令の定めるところによって作成する出生証明書を届書に添附しなければならない。但し、やむを得ない事由があるときは、この限りでない。
第50条〔子の名の文字〕
@子の名には、常用平易な文字を用いなければならない。
A常用平易な文字の範囲は、命令でこれを定める。
第51条〔届出の場所〕
@出生の届出は、出生地でこれをすることができる。
A汽車その他の交通機関(船舶を除く。以下同じ。)の中で出生があったときは母がその交通機関から降りた地で、航海日誌を備えない船舶の中で出生があったときはその船舶が最初に入港した地で、出生の届出をすることができる。
第52条〔届出義務者〕
@嫡出子出生の届出は、父又は母がこれをし、子の出生前に父母が離婚をした場合には、母がこれをしなければならない。
A嫡出でない子の出生の届出は、母がこれをしなければならない。
B前2項の規定によって届出をすべき者が届出をすることができない場合には、以下のの者は、その順序に従って、届出をしなければならない。
 第1 同居者
 第2 出産に立ち会った医師、助産婦又はその他の者
C第1項又は第2項の規定によって届出をすべき者が届出をすることができない場合には、その者以外の法定代理人も、届出をすることができる。
第53条〔嫡出子否認の訴と出生届〕
嫡出子否認の訴を提起したときであっても、出生の届出をしなければならない。
第54条〔父を定める訴を提起したとき〕
@民法第773条の規定によって裁判所が父を定むべきときは、出生の届出は、母がこれをしなければならない。この場合には、届書に、父が未定である事由を記載しなければならない。
A第52条第3項及び第4項の規定は、前項の場合にこれを準用する。
(以下略)

第6節 婚姻
第74条〔婚姻届〕
婚姻をしようとする者は、以下の事項を届書に記載して、その旨を届け出なければならない。
 1 夫婦が称する氏
 2 その他命令で定める事項
第75条〔婚姻の取消〕
@第63条の規定は、婚姻取消の裁判が確定した場合にこれを準用する。
A検察官が訴を提起した場合には、裁判が確定した後に、遅滞なく戸籍記載の請求をしなければならない。
第75条の2〔婚姻取消しの際の氏を称する場合〕
第77条の2の規定は、民法第749条において準用する同法第767条第2項の規定によって婚姻の取消しの際に称していた氏を称しようとする場合に準用する。

第7節 離婚
第76条〔離婚の届出〕
離婚をしようとする者は、以下の事項を届書に記載して、その旨を届け出なければならない。
 1 親権者と定められる当事者の氏名及びその親権に服する子の氏名
 2 その他命令で定める事項
第77条〔裁判上の離婚、離婚の取消〕
第63条の規定は、離婚又は離婚取消の裁判が確定した場合にこれを準用する。前項に規定する離婚の届書には、左の事項をも記載しなければならない。
 1 親権者と定められた当事者の氏名及びその親権に服する子の氏名
 2 その他命令で定める事項
第77条の2〔離婚の際の氏を称する場合〕
民法第767条第2項(同法第771条において準用する場合を含む。)の規定によって離婚の際に称していた氏を称しようとする者は、離婚の年月日を届書に記載して、その旨を届け出なければならない。

2節 管理上の法律知識
管理上の法律知識では
@遺失物に関する遺失物法、
A紛失物に関する商法、
B火災に関する消防法、その他、
C不法行為に関する民法、
D食品衛生に関する食品衛生法、
E飲食接待に関する風俗営業法等を取り上げた。

1 落し物
落し物を拾った場合は、拾い主は後にその物を取得する権利(落し主が現われなかった場合)または謝礼を受ける権利(落し主が現われた時)が発生する。結婚式場などの公の建物の内部での落し物の場合は、それらの権利が会社に帰属したり、客と会社に分割されたりする。なかでも、拾得物の処置
(1条)、拾得者の報労金請求権(4条)、船車・建築物内における拾得
(10条)が特に関係のある項目である。

◎遺失物法

第1条〔拾得者の義務・警察署長の処置〕
第2条〔警察署長の保管方法〕
第3条〔費用の負担者〕
第4条〔拾得者の報労金請求権〕
第5条〔売却物件の価格〕
第6条〔費用・報労金の請求期限〕
第7条〔拾得者の権利放棄〕
第8条〔遺失者の権利放棄〕
第9条〔拾得者が権利を喪失する場合〕
第10条〔船車・建築物内における拾得〕
第11条〔贓品の拾得〕
第12条〔準遺失物〕
第13条〔埋蔵物〕
第14条〔取得した所有権の喪失〕
第15条〔受取人のない遺失物の帰属〕
第16条〔命令への委任〕


  
第1条〔拾得物の処置〕
@他人の遺失したる物件を拾得したる者は、すみやかに遺失者又は所有者その他物件回復の請求権を有する者にその物件を返還し、又は警察署長にこれを差出すべし。
但し法令の規定により、私に所有所持することを禁じた
る物件は返還するの限にあらず。
A物件を警察署長に差出したるときは、警察署長は物件の返還を受くべき者にこれを返還すべし。
もし返還を受くべき者の氏名又は居所を知ること能はざるときは、命令の定むる所に従い公告を為すべし。
第4条〔拾得者の報労金請求権〕
@物件の返還を受くる者は、物件の価格100分の5より少からず、20より多からざる報労金を拾得者に給すべし。但し国庫その他、公の法人は報労金を請求することを得ず。
A物件の返還を受くる者は、第10条第2項の占有者ある場合においては、前項の規定による報労金の額の2分の1宛を拾得者及び占有者に給すべし。
第7条〔拾得者の権利放棄〕
拾得者はあらかじめ申告して拾得物に関する一切の権利を棄し、第3条の費用弁償の義務を免るることを得。
第8条〔遺失者の権利放棄〕
@物件の返還を受くべき者は、その権利を棄して第3条の費用及び第四条の報労金弁償の義務を免るることを得。(以下略)
第9条〔拾得者が権利を喪失する場合〕
拾得物その他、本法の規定を準用する物件を横領したるにより処罰せられたる者、及び拾得の日より7日内に第1条第1項又は第11条第1項の手続を為サざる者は、第3条の費用及び第4条の報労金を受くるの権利、並びに拾得物の所有権を取得するの権利を失う。
拾得の時より24時間内に次条第2項の規定により、船車建築物等の管守者に物件の交付を為さざる者また同じ。
第10条〔船車・建築物内における拾得〕
@船車建築物その他の施設の占有者の為これを管守する者、その管守する場所において他人の物件を拾得したるときはすみやかにその物件を占有者に差出すべし。この場合においては占有者を以て拾得者と看做し、本法及民法第240条の規定を適用す。
A管守者ある船車、建築物、その他本来公衆の一般の通行の用に供することを目的とせざる構内において他人の物件を拾得したる者は、すみやかにその物件を管守者に交付し、交付を受けたる管守者はこれをその船車建築物等の占有者に差出すべし。
B前項の場合においては、船車建築物等の占有者第1条第1項又は第11条第1項の手続を為すべし。
C第2項の場合において拾得者第7条若は第8条第2項但書の規定により、拾得物に関する権利を棄し又は前条後段の規定により拾得物に関する権利を失いたるときは、同項の占有者は第4条第2項の規定による拾得者の報労金を受くるの権利を除き拾得者の拾得物に関する権利を取得す。
但し占有者第7条又は第8条第1項の例によることを得。
第10条の2〔船車建築物等を占有する指定法人による保管〕
@前条に規定する船車建築物等の占有者にして、当該船車建築物等における拾得物を保管するに適すと認めらるる命令を以て指定する法人前条第1項の規定により、拾得者と看做さるる場合又は同条第2項の規定により物件の差出を受けたる場合において、物件の返還を受くべき者にこれを返還すること能はざるときは、命令の定むる所により警察署長に届出を為したる後、その物件を保管すべし。
但し法令の規定により、私に所有所持することを禁じたる物件はこれをすみやかに警察署長に差出すべし。
A前項に規定する法人命令を以て定むる要件に従ヒ拾得物に関する権利を棄したる物件に付ては前項本文の規定に拘らずこれを警察署長に差出し、その保管の責を免るることを得。
B第1項の規定による届出は、第9条の規定の適用に付てはこれを第1条第1項の手続とみなす。
C第一項の規定による届出を受けたる警察署長は、第1条第2項の例により公告を為すべし(以下略)
第12条〔準遺失物〕
誤て占有したる物件、他人の置去りたる物件、又は逸走の家畜に関しては、本法及民法第240条の規定を準用す。但し誤て占有したる物件に関しては第3条の費用及び第4条の報労金を請求することを得ず。
(以下略)



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